等価騒音レベル(LAeq)とは

「等価騒音レベル」( Equivalent continuous A-weighted sound pressure Level ) とは、騒音レベルが時間とともに不規則かつ大幅に変化している場合(非定常音、変動騒音)に、ある時間内で変動する騒音レベルのエネルギーに着目して時間平均値を算出したものです。
等価騒音レベルは、自動車からの騒音のように時間的に大きく変動する騒音レベルを評価するために考案されました。下図(図1)に示すように、ある測定時間内で時間とともに騒音レベルが大きく変動する多数の測定値が得られたときに、図2のように時間変動のない一定の騒音レベル(定常音)で代表させたらどの程度の数値になるかを算出し、測定時間内での騒音のエネルギーが両者で等しく(等価)なるようにした場合の定常音の騒音レベルが、等価騒音レベルです。
言い換えると、測定時間内における騒音エネルギーによる総曝露量を時間平均した物理量であるため、異なる音源からの騒音の合成などの計算に便利です。
また、変動騒音に対する人間の生理・心理的反応とも比較的よく対応することから、環境騒音を評価するための評価量として多くの国で採用されています。

環境基準値としても採用

日本では道路交通騒音の測定結果を評価するにあたって、従来はある測定期間で得られた多数の測定値の「中央値」(統計的な指標)である L50 が用いられてきました。しかし、2000年度からは、環境基準(環境基本法)及び自動車騒音の限度(騒音規制法)ともに、沿道の住民がどの程度の騒音レベルにどれ位の時間曝露されていたのかをエネルギー的に評価できる等価騒音レベル(物理的な指標)を用いることとなりました。

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等価騒音レベル(LAeq)を演算によって求めるには

等価騒音レベルは求めたい時間範囲における単位時間毎の騒音レベル(dB)を測定により収集し(サンプルを収集し)、以下の式に代入することによって求めます。


一昔前なら等価騒音レベルを自力で求めるのは非常に困難(専門書や物理・数学の知識が必要)でした。しかし、現在ではインターネット環境の一般化、測定アプリや自動計算ソフトの普及により、多くの企業や有志の方がホームページ等で計算式や自動計算のエクセルファイル等を紹介・説明していますので、多少の時間について凡その等価騒音レベルを求めることは一般の方にもそれ程難しくなくなりました。
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長期間・多期間の正確な等価騒音レベル(LAeq)を求めるには

ただ、多少の時間かつ凡その値であれば上記で求められても、長期間・多期間にわたり正確な測定値を得て等価騒音レベルを分析することは現在でも一般に困難です。したがって、現代では基本的に長期間・多期間の測定を行い、期間毎の正確な等価騒音レベルを求める場合には専用の測定器、つまり「長時間の記録が可能な騒音計」が用いられています。また、測定器の扱いにも当然それなりの知識が必要です(求めたいデータが何か、設定をどうすべきか等設定するには知識と経験が必要です)ので、基本的に正確な測定値や測定結果を求める場合には現代でも専門の業者が必要です。当社では、比較的安価に長期間・多期間の正確な等価騒音レベルを報告可能なサービス、また、その他データの取得が可能な各種測定サービス・オプションを展開しておりますので、それらのデータをお求めの際はお気軽にお問い合わせください(>>お問い合わせはこちらから)。

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