近隣騒音について警察に通報しても良いのか、通報は匿名でも良いのか?

近隣騒音が発生していて、すぐに騒音の発生を止めさせたい場合であっても、直接発生源当事者に苦情を伝えることが危険な場合や不適切な場合は少なくありません。そのような場合第三者に協力を要請することが有効で、警察はその有効な選択肢のひとつになり得ます。このページでは騒音問題で警察に通報する場合に知っておきたい通報のしくみや注意点について説明します。(当社では騒音調査を通して騒音問題の解決のお手伝いをしています。お問い合わせやご相談は>>こちらのリンクよりお気軽にご連絡ください

隣人からの騒音被害に遭ったら警察に通報しても良いのか?

生活騒音の場合、事件や事故のように重大性がないからといって通報を躊躇してしまうかもしれませんが、度を越えた騒音は不法行為ともなりますので緊急性のある、耐え切れない騒音が発生している場合は遠慮なく警察に通報を行いましょう(後述のとおり、緊急性のない相談などについては警視庁の相談ホットライン「#9110」などを活用するようにしましょう)。
警察は騒音の通報を受けた場合、現場に向かい、騒音源(騒音を発生させている人)に注意を行ってくれます。刑事事件に発展していない場合、警察に音を止めさせる強制力はないものの、警察が来たという事実により、多くの人は音を出さないようになるため、高い即効性を望めます。また直接苦情を言うよりも、騒音主の反感を買うリスクが無いことも大きなメリットのひとつです。

110番するか、交番に相談するか?


警察に通報する場合には、110番への通報をおすすめします。「近所の管轄の交番に直接相談した方が対応してくれるのでは?」と思われるかもしれませんが、交番に出向いて通報したからといって、必ず現場に向かってくれるわけではありません。緊急と判断されない場合には、後回しにされることもあります。また、交番が他の事件やパトロールに出動していて、不在になっている場合も少なくありません。
一方110番通報の場合には、司令室から直接出動司令が行われますので、警察は必ず現場に向かう必要があるようです。したがって騒音源に向かって欲しい場合には、110番での通報が有効です。仮に通報後、警察官が現場に到着する前に騒音が止まってしまっても、心配は不要です。騒音に関する聞き込みなどを行っていきますので、再び騒音問題が発生したときに役立ちます。

110番通報の準備、何を聴かれるのか?匿名でも問題ないのか?

110番への通報が初めての場合には、どのように110番したらよいのか不安に感じているでしょう。通報の流れについて大まかに説明します。110番に通報する場合、あらかじめ警察が現場に正確に出動できるよう、騒音の発生している場所および音の種類などについてすぐ答えられるように準備してから電話をかけると、慌てずに済みます。110番に電話がつながると、まずは事故や事件かを聞かれますので、「騒音被害です」と答えましょう。その後は出動に必要な内容は警察の方から尋ねてくれますので、落ち着いて答えます。騒音被害が続いている場合は、その経過も簡単に伝えておくと効果的です。
通報時には、通報者の名前や住所を尋ねられますが、これは匿名とすることもできます。匿名で通報したからきちんと対応してもらえないことはありませんので、問題に関わりたくない、名前を隠したい場合には匿名としても構いません。また、現場での対応後、警察官からの直接報告が必要かどうかも聞かれますが、こちらも希望しないとして問題ありません。
ただし、自宅の電話から通報を行っている場合には、自動的に通報元がわかりますので、状況によっては対応前後に訪問を受ける可能性もあります。完全に匿名を希望するのであれば、公衆電話から通報を行うとよいでしょう。警察側が騒音主に「通報者(誰から通報があったか)」を漏らすことはありませんが、心配な人は匿名としておいた方が無難です。

騒音主とコミュニケーションした直後の通報は注意

また、騒音を出している相手に直接苦情を伝えた後に、収まらない場合に警察に通報する場合は、その匿名性は実質的に保たれないと考えたほうが良いでしょう。たとえ匿名で通報したとしても、通報された側からは、誰が通報したかが容易に予測でき、逆恨みなどのトラブルの元となる可能性もあります。苦情を伝えた直後の通報は控えるのが賢明です。そもそも、直接相手に苦情を言うことは、感情的になり状況が悪化することも多く、あまり効果的ではありませんし、勧められる解決方法ではありません。騒音解決には、第3者を入れることが大切です。

警察に110番通報する際に注意すべきこと


警察はさまざまな緊急事態に対応してくれます。それゆえに、警察への通報を行うときには注意すべきこともあります。
まず、警察に110番通報する場合には、途中で通話を切らないようにしましょう。110番通報は、事件に巻き込まれた場合なども行われます。電話が切れるということで、生命の危険のある状況ではと判断され、通報者の元に警察が出動することになってしまいます。110番の電話をかけたからには、途中で止めたりせず、きちんと最後まで話をしましょう。

緊急でない場合は管理会社や相談専用電話も活用する

そして、警察に通報するのは、本当に騒音に困っているときに限定してください。原則として、警察は民事不介入ですので、騒音問題は当事者同士で解決しなければなりません。しかし、事件性のある騒音や、酷い騒音で健康被害が発生するような騒音の場合には、十分に通報の要件を満たします。今すぐ警察官に来てもらって解決する必要のある騒音であるかということが、判断の基準となるでしょう。緊急性のない生活音などが気になる場合には、警察ではなく管理会社や管理組合、自治会から注意してもらう、あるいは警察相談専用電話「#9110」番にて相談するなどの方法もあるということを頭に入れておいてください。これは騒音の発生源が明らかではない場合にも同様のことが言えます(発生源の明らかでない騒音に対しては警察も対応することができません)。

騒音測定は当社にお任せください

管理会社や管理組合、自治会などに相談した際、騒音の証拠となるようなデータの提出を求められることがあります。というのも、管理会社や管理組合、自治会は「騒音の証拠」がないと対応できないケースが多いためです(いずれの団体もボランティアではないので基本的には対応するための根拠が必要になります)。騒音の証拠となる資料には録音データ、測定データなどがあります。
また、警察に相談する際、本当に耐え難い程度の音が発生しているかどうかが争点となる場合があります。発生している騒音がどの程度のものか、耐え難いものかどうかを明らかにするためには騒音の測定が必要です。当社では騒音調査サービスを提供しておりますので、お気軽にご相談ください(>>お問い合わせはこちらから)。

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